卵巣嚢腫のこと。

2021年の夏、約13cmの皮様嚢腫という巨大卵巣嚢腫を摘出しました。

入院2日目(手術当日)

2021年8月20日。手術の日が来た!

 

その日の夜はなかなか眠れず何度も起きました。手術が9:30からの予定で、水分が摂れるのが3:30までだったのでギリギリまで水分を摂りたくて起きるたびに飲んでいました。前日の微熱が気になって布団を被ったら暑いしめくったら寒いしの繰り返し。手術怖いな〜とか手術後は痛くて寝れんのだろうな〜とかいろんなことを考えてしまいました。

だんだん白む空をボーッと見ながら、6からのシャワーの時間を待ちました。

あまり寝てないの全然眠くなくてむしろ目がギンギン。

 

シャワーの後、7時に浣腸。人生初の浣腸。これめちゃ不安でした。入れられた瞬間にお腹がグルグル〜ってきてびっくりしました。看護師さんに「自分の感覚でいいので3分待ってくださいねー。」と言われ、トイレに移動し便座に座った状態で待ったけど、もう限界!!ってなって「もはや移動に2分かかって今座って1分経った!!絶対3分!」ってなっていました。たぶん2分経ってなかったかも…笑

 

部屋に戻って下着(パンツ)のみになって手術用の寝巻きに着替えたあと、点滴を入れてもらいに処置室へ行きました。点滴は看護師さんじゃなくてお医者さんが入れるんですね。

 

その後、看護師さんに肺血栓防止ソックスを履かせてもらいました。ふくらはぎの太さに合わせたピチピチのハイソックスで、爪の色や足先の様子がわかるように(?)つま先は開いています。めっちゃきっついので下からちょっとずつ均等になるように履かせていただいて申し訳ない気分でした。

 

手術日は個室でお泊まりと言われていたので、8時頃に看護助手さんにベッドと荷物を運んでいただいて移動しました。個室には洗面台とトイレも付いていました。

個室に来てテレビをつけていても不安と緊張でなにも入って来ず。

長い髪の毛は2つ結びしなければいけなかったので何十年か振りのツインテール…。下の方で結んだけどアラサーにはだいぶきつかったです。

 

そしてついに9:30!!
看護師さんに「手術室に呼ばれたので行きましょうか〜」と言われたので、謎の声を出しながら歩いて手術室に向かいました。コロナ禍だったので、看護師さん1人の付き添いでもちろん家族はいませんでした。家族がいたら不安は少なくなったのかは分からないけど、家族をギリギリまで不安がらせたくないし、いつかはひとりで手術室に入らなきゃいけないのでそんなに変わらないのかなと思いました。(この瞬間はそれを考えてる余裕はなかったのかも笑)

 

2つ結びの髪をヘアキャップに入れて中に入るとたくさんの先生と看護師さんがいました。手術の確認用紙を渡して名前を生年月日を伝えました。主治医の先生に「左の卵巣とってもいいんだよね?」と最終確認をされ「はい!」と覚悟を決めました。

なんか皆さんなごやかムードで普通に喋ってるし、ドラマで観るようなシリアスは雰囲気は全然なくてこんな感じなんだ〜と思いました。

 

手術室にはたくさんの機材があって手術台を見てドキドキがMAXに!でもあとは6、7人ぐらいの人たちにされるがままでした。

 

はいここで靴脱いでー、はいここに腰掛けてー、まだ寝っ転がらないでねー、服脱ぎますよー、(バスタオルで隠してくれながら)パジャマのひも外しますよー、はい手抜いてー、はい寝っ転がってー、ショーツも脱ぎますのでお尻あげてー、はい楽にしてー、はい腕ここに置いてー、はいメガネとりますー、はいマスクも外しますー、、、

 

ひゃーとなっていると足があったかい毛布に包まれて、頭の上で先生が麻酔のマスクをスタンバイしていました。わたしは涙目。

マスクをはめられたとき、うーうー言いながら必死に息を整えていました。「ゆっくり深呼吸していてくださいね〜」と言われたけど、なんか苦しい!なんか酸素薄くないですかー!?って焦ったけど結果的には大丈夫でした。(過呼吸かい笑)

 

全身麻酔はストンと落ちる感覚だといろんなブログで読んだことがあったので、どんな感じなんだろう〜とちょっと楽しみにしていました。

先生に「目を開けたままゆっくり深呼吸を続けていてください。」と言われているうちに、天井の光がだんだんボヤ〜としてきてその後の記憶がまったくなくなりました。あの感覚はすごい!

 

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名前を呼ばれて目を開けると、普通の睡眠から起きたのとは違う目覚めの感覚がありました。

その瞬間「オエ〜〜〜〜」とすさまじい吐き気が。わたしの姉が全身麻酔や部分麻酔から覚めた時はいつも吐いてしまうと言っていたのでわたしもそれかと一瞬で思いました。でも袋や洗面器がないところでは吐けないっと思ってたら口からなにかがズルンと出てきました。たぶんあれは気管チューブで、その異物感で吐きたくなっていたのかもしれません。

そして次の瞬間にはものすごく寒くなって足がガクガク震えていたのを覚えています。「寒い」と言いたかったのに声が出なくて、自分の思うように体が動かないことにびっくり。看護師さんに「寒い?」と聞かれてうなずくことしかできませんでした。

 

このほんの数秒で吐き気と寒気がきたと思った直後に「いたたたたたたーーーー!!!」とお腹とおへその激痛が襲ってきました。

その時に手術台からベッドに、いちにのさんでうつされました。それはそれはめちゃ痛かった…。意識がないうちにうつしてもらいたかった!と思ったけど、目覚めてからうつすものなんですね。「痛いーーー」と叫びたいのに声が出ず。もうぐちゃぐちゃの顔をしていたと思います^^;

 

ガラガラガラーとものすごい勢いでベッドで運ばれている間、おへそが燃えてるのかと思うぐらい今までに感じたことのない痛みがありました。お腹もめちゃ痛くて、抱えてギュっと丸くなりたいと思ったけど、手すら全然動かなくてとにかく耐えるしかありませんでした。

 

病室に戻ると看護師さんに「おかえりなさい〜!頑張ったね〜!」と迎えてもらい、着替えさせてもらいました。(たぶん)

「今の痛みは、今までに感じたことないぐらいの強い痛みが10だとしたら0からどのあたり?」と聞かれ「じゅう…」といってるつもりだったけどなかなか声になっておらず、「9?」と聞かれたのでもうそれでもいいから痛み止めでもなんでも打ってくれーと思ってめちゃうなずいていました。

あまり覚えていないけど、中の方の痛みというより外側(おへそ)の痛みが強かったと思います。おへそを燃やされているのかえぐられているのかってぐらいジンジンした感じでした。

まだ震えるぐらい寒くて、やっと声が出せるようになり「寒い…」と言うと、「麻酔から醒めたばかりだからねー!すぐ戻るよー!」と言われました。麻酔から醒めたばかりのときは体温調節がうまく出来なくて寒く感じることがあるそうです。

しばらくすると点滴の痛み止めが効いてきたのか、少し落ち着いて寒気もなくなりました。

 

膀胱がものすごく圧迫されている違和感があって「おしっこ漏れそう!」と思ったら、左手にチューブが触れて尿道カテーテルが入ってることに気がづきました。ベッドの上でおしっこなんてできるはずがないと不安だったけど、自分の意思で出すのではなく自然に出ているものだったのでよかったです。(様子を見にきてくれる看護師さんみんなに「よく出てるねー!」と褒められテヘヘって感じでした。)

 

両腕に点滴を入れられているし紙おむつを穿いておしっこの管入ってるし、ほんとになにもできずにTHE病人でした。さらにのどがかすれていたのであまり上手に喋れなかったけど、看護師さんが丁寧にいろいろ聞いてくださったので不便ではなかったです。ありがたや〜。

(この状態で大きな地震が来たら、自力で動くのはもちろんのこと動かされても激痛なのでつらいからもう諦めよう…なんて変なことをボーッと考えていました。)

 

看護師さんに「お腹切ってないですよね?」と確認すると、「大丈夫だよ。予定通り腹腔鏡手術で取り出せたよ!全部で600gぐらいだったんだって。大きかったね〜!」と言われました。全部で600gもの腫瘍と卵巣がわたしの体からなくなったんだ〜と不思議な気分でした。

 

LINEができるぐらいに動けるようになったので家族に連絡。病室に戻ってきたのが11時ぐらいだったみたいで、LINEをしたのが12:30でした。母が「手術が終わったと主治医の先生から電話いただいてたから安心したよー。早かったね!電話は10:30頃にもらったよ!」と言っていました。手術は約1時間だったみたいです。

 

全身麻酔の後は気持ち悪くなったり頭が痛くなったりするみたいですが、わたしの場合は全然なにもなくて普通にスマホをいじっていても大丈夫でした。暇で気分は全然悪くないので、痛みの気を紛らわせるためにテレビを観たかったけどさすがにそれは止められました^^;

こんなに気分が悪くならずにスッと普通になれるなんて、麻酔科の先生すごい!と感動していました。

 

強めの痛み止めは6時間あけないといけないということで、夜中に痛くなった時に打って欲しかったので少し我慢していました。看護師さんが何度か「痛みは大丈夫ですか?痛み止め入れましょうか?」と聞いてくれて、普段わたしは痛みを我慢しがちですが、さっきのものより少し弱めの痛み止めを打ってもらうことにしました。

 

術後5時間は水分を摂ることはできないので口が渇いてつらかったという人もいるそうですが、わたしはそんなに口の渇きがなかったです。ただ、のどがかすれてつらそうだからと看護師さんにうがいをさせていただきました。ベッドの上で頭も上げてはいけないので横を向いてうがいをするのが難しかったです。

 

少しずつ動けるようになってきて、体の向きを変えるようにしました。体ごと横を向くとお腹の中がグルグル〜と動いてびっくりしました。向きを変えるたびにグルグル〜ゴッゴッゴ〜と内臓が動いている感じがしました。癒着しないためにも大事だ!早く治るようになるぞ!と思って積極的に向きを変えまくりました。

もともと腰痛持ちなのでずっと横になっているのがつらくなっていました。膝を立てたりゴロゴロ向きを変えたりして、お腹と腰の痛みに耐えながら動いてとにかくいろんな気持ち悪さに耐えました。

 

いろいろ不安で怖くて、でも初めて経験することだらけの絶対に忘れられない1日になりました。もう経験したくないけど笑

手術前は全然眠れなかったのでこの日はぐっすり寝ました^^

 

 

術後生活について次に続きます♩